2026/10/16
第1回・第2回で改正の中身を確認しました。第3回は実務の入口となる「従業員から何を集めるか」を整理します。令和7年分は様式が一部変更されており、収集漏れは控除漏れに直結します。港区・新橋の会社で経理を兼務する経営者や、会社設立後まもなく初めて年末調整を行う事業者の方に向けて、申告書の種類と電子化のポイントをわかりやすく解説します。
年末調整で各種控除を適用するには、従業員から次の申告書を回収する必要があります。令和7年分は基礎控除申告書などの様式が前年から変更されている点に注意してください。
「扶養控除等申告書」は、扶養親族がいない従業員でも必ず提出が必要です。提出がない場合、その従業員の給与は源泉徴収税額表の「乙欄」が適用され、高い税率で徴収されるうえ年末調整の対象外となります。
令和7年分では、控除対象扶養親族と合計所得金額100万円以下の特定親族が「源泉控除対象親族」として整理されました。令和8年1月以後に支払う給与に係る扶養控除等申告書では、この「源泉控除対象親族」を記載することになります。年末調整の実務と、翌年からの毎月の源泉徴収事務の両方に影響しますので、従業員への案内時に明確に区別して説明することが重要です。
国税庁は「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」を無償提供しています。従業員が保険会社等から控除証明書データを取得し、年調ソフトで申告書を作成、そのデータを会社に提供する仕組みです。手計算による控除額の検算や証明書チェックが不要になり、書類の作成・確認・保管業務が大幅に効率化されます。従業員数が増えつつある港区・新橋の成長企業では、電子化の導入メリットが大きいといえます。
年末調整の精度は「正しい申告書を漏れなく集めること」で決まります。令和7年分は統合様式・源泉控除対象親族など変更点が多いため、早めの案内と回収スケジュール管理が肝心です。電子化を検討する場合は、顧問税理士と給与システムの連携可否を確認しておきましょう。
次回(第4回)は、集めた申告書をもとに年税額を計算し、過不足額を精算する具体的な流れと、算出所得税額速算表の使い方を解説します。