2026/10/9
第1回では基礎控除・給与所得控除の改正を整理しました。第2回は、令和7年分の年末調整における最大の目玉である「特定親族特別控除」の創設と、扶養親族等の所得要件の改正を解説します。大学生・専門学校生の子を持つ従業員が多い港区・新橋の企業では、この制度を正しく理解しないと控除漏れが発生し、従業員の不利益につながります。会社設立して間もない事業者の方も、従業員を雇用したら必ず押さえるべき論点です。
「特定親族特別控除」は、いわゆる「103万円の壁」「大学生アルバイトの壁」への対応として創設された新制度です。「特定親族」とは、居住者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族(配偶者、青色事業専従者として給与を受ける人および白色事業専従者を除く)で、合計所得金額が58万円超123万円以下の人をいいます。従来はこの所得帯になると扶養控除(特定扶養親族63万円)から外れてしまいましたが、新制度により従業員本人の総所得金額等から段階的な控除が受けられます。
特定親族の合計所得金額に応じて、次のとおり段階的に控除額が設定されています。所得が増えるにつれて控除額が緩やかに逓減する仕組みで、いわゆる「働き控え」を防ぐ狙いがあります。
この控除を年末調整で受けるためには、従業員から「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出を受ける必要があります。申告書の提出がなければ会社側で控除を適用できませんので、収集漏れに注意してください。
基礎控除の引上げに伴い、扶養控除等の対象となる扶養親族・同一生計配偶者の合計所得金額要件が、48万円以下から58万円以下(給与収入だけの場合123万円以下)に引き上げられました。あわせて勤労学生の所得要件は75万円以下→85万円以下、ひとり親の生計を一にする子の要件も58万円以下に改正されています。これにより、これまで扶養から外れていた家族が新たに扶養親族となるケースがありますので、従業員には「異動申告書」の提出を促してください。
特定親族特別控除は、大学生年代の子を扶養する従業員にとって大きなメリットがある一方、専用の申告書提出が前提となります。港区・新橋で税理士に相談される際は、従業員構成(扶養家族の年齢・所得)を整理しておくと手続がスムーズです。会社設立直後で年末調整が初めての事業者の方は、特に申告書の様式変更に注意してください。
次回(第3回)は、実際に従業員から回収すべき各種申告書の種類・記載ポイントと、電子化(年調ソフト)の活用について解説します。