2026/10/2
年末調整の季節が近づいてまいりました。港区・新橋エリアで事業を営む経営者の皆様にとって、令和7年分(2025年12月に実施する)の年末調整は、例年とは大きく異なる「大改正の年」となります。令和7年度税制改正により、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、そして「特定親族特別控除」という新しい制度が創設されました。本連載では、全5回にわたって、中小企業の経営者・給与担当者が実務で迷わないよう、根拠法令とともに丁寧に解説します。第1回は、まず全体像と最重要ポイントである基礎控除・給与所得控除の改正を整理します。
これまで長年据え置かれてきた基礎控除・給与所得控除が、いわゆる「年収の壁」対策として大きく見直されました。これらの改正は原則として令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税について適用されます。つまり、令和7年11月までの毎月の源泉徴収事務には変更はありませんが、令和7年12月に行う年末調整で一気に精算する形になります。港区・新橋で複数の従業員を抱える会社では、精算額(還付・追徴)が例年より大きく変動する可能性があるため、事前の理解が欠かせません。
基礎控除は、合計所得金額に応じて段階的に引き上げられました。令和7・8年分では、合計所得金額132万円以下の方について基礎控除額が95万円(改正前48万円)となるなど、所得階層ごとに手厚い加算が行われています。国税庁公表の内容に基づく令和7・8年分の基礎控除額は次のとおりです。
この引上げにより、多くの従業員で課税所得が減少し、年末調整で還付が生じやすくなります。
給与所得控除については、これまで55万円だった最低保障額が65万円に引き上げられました。給与収入162万5,000円以下の方は給与所得控除額が65万円となります。この改正に伴い、令和7年分以後の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」(所得税法別表第五)も改正されています。年末調整の計算は必ず令和7年分の最新の表を用いてください。
令和7年分の年末調整は、基礎控除・給与所得控除という所得税計算の根幹部分が改正された、実務担当者にとって注意を要する年です。まずは「令和7年12月の年末調整で一括反映される」という点と、最新の速算表・金額表を用いる点を押さえてください。港区・新橋で税理士をお探しの経営者の皆様は、早めに顧問税理士と連携し、精算額の見込みを立てておくことをおすすめします。
次回(第2回)は、今回創設された目玉制度「特定親族特別控除」を、対象者・控除額・必要な申告書まで踏み込んで詳しく解説します。