2026/4/17
連載第2回では、港区・新橋エリアの中小企業経営者が最も気になる「法人税はいくらかかるのか」という疑問に、具体的な税率と所得計算の仕組みからお答えします。中小企業には大企業とは異なる優遇税率が適用されますが、2025年度(令和7年度)税制改正により一部見直しが行われています。正確な知識を持って、適切な申告を行いましょう。
法人税の本則税率は23.2%ですが、中小法人(資本金1億円以下の普通法人等)には、租税特別措置法第42条の3の2に基づく軽減税率が適用されます。2026年3月期決算における税率は以下のとおりです。
なお、令和7年度税制改正により、当期の所得金額が年10億円を超える事業年度については、年800万円以下の部分に適用される税率が15%から17%に引き上げられました。ただし、港区・新橋エリアの多くの中小企業は所得10億円以下と考えられるため、引き続き15%の軽減税率が適用されます。
また、「適用除外事業者」(前3事業年度の平均所得金額が年15億円を超える法人)は軽減税率の適用対象外となりますのでご注意ください。
法人が負担する税金は法人税だけではありません。地方法人税、法人住民税、法人事業税、特別法人事業税を合わせた実効税率で考える必要があります。港区に本店を置く中小法人(資本金1億円以下、所得800万円以下の部分)の場合、概算の実効税率は以下のとおりです。
所得800万円超の部分については、実効税率は約36.8%となります。会社設立時の事業計画策定においても、この実効税率を前提に資金繰りを検討することが重要です。
法人税の課税所得は、会計上の利益(当期純利益)をベースに、税法上の加算項目と減算項目を調整して算出します(法人税法第22条)。
会計上は費用として計上していても、税法上は損金に算入できない項目(損金不算入)があります。代表的なものとして、交際費等の損金不算入額、役員給与の損金不算入額、減価償却の償却超過額などがあります。これらの調整は法人税申告書の「別表四」で行います。
軽減税率の適用を受けるための「中小法人」の要件は以下のとおりです(法人税法第66条第2項・第5項)。
港区・新橋で会社設立をされた中小企業の多くは、この要件を満たすと考えられます。税理士に相談の上、適用可否を確認しましょう。
中小法人に適用される15%の軽減税率は、中小企業にとって大きなメリットです。正確な所得計算を行い、適切に軽減税率の適用を受けることが、税負担の最適化につながります。港区・新橋エリアの税理士に早めに相談し、決算対策を進めましょう。
次回予告:第3回では、決算時に見落としがちな「減価償却」「交際費」「役員報酬」の損金算入ルールについて、実務上のポイントを詳しく解説します。