2026年最新版 3月決算法人のための法人税申告・決算対策ガイド 【第1回/全5回】:決算スケジュールと申告期限の全体像
2026/4/10
3月31日を迎え、多くの法人にとって事業年度の区切りとなるこの時期。港区・新橋エリアで事業を営む中小企業の経営者の皆さまにとって、これから約2か月間の決算・申告作業は、1年で最も重要な税務イベントです。本連載では、No.1税理士法人が、2026年(令和8年)3月期決算法人が押さえるべき法人税申告のポイントを全5回にわたって解説します。第1回では、決算から申告・納付までのスケジュールと、今年度特に注意すべき改正点の全体像を整理します。
1. 3月決算法人の確定申告期限を確認する
法人税法第74条の規定により、法人税の確定申告書は各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、所轄税務署長に提出しなければなりません。2026年3月期決算法人の場合、申告・納付期限は2026年5月31日(日曜日)ですが、期限日が日曜日に当たるため、翌営業日の2026年6月1日(月曜日)が実質的な期限となります。
ただし、会計監査人の監査を受ける法人や、定款で定時株主総会の開催時期を事業年度終了後3か月以内としている法人は、法人税法第75条の2に基づき、申告期限の延長の特例を受けることが可能です。この場合、申告期限は1か月延長されますが、納付期限は延長されない点にご注意ください。延長期間に対応する利子税が発生します。
2. 決算から申告までのスケジュール
港区・新橋で会社設立をされた法人を含め、3月決算法人が行うべき主な作業を時系列で整理します。
- 4月上旬〜中旬:決算整理仕訳の作成、棚卸資産の確定、減価償却費の計算、引当金の計上
- 4月中旬〜下旬:決算書(貸借対照表・損益計算書等)のドラフト作成、税理士との打ち合わせ
- 5月上旬:法人税申告書(別表)の作成、消費税申告書の作成、地方税(法人事業税・法人住民税)申告書の作成
- 5月中旬:定時株主総会の開催、決算の承認
- 5月下旬(6月1日まで):申告書の提出・納税(e-Taxによる電子申告を推奨)
3. 2026年3月期決算で注意すべき税制改正の全体像
2026年3月期(令和7年4月1日〜令和8年3月31日に開始する事業年度)の申告にあたっては、以下の税制改正が特に重要です。
- 中小企業者等の法人税率の特例の見直し:所得の金額が年10億円を超える事業年度について、年800万円以下の部分の税率が19%から17%に引き上げ。ただし、大多数の中小企業は年10億円以下のため、引き続き15%の軽減税率が適用されます(租税特別措置法第42条の3の2)。
- 防衛特別法人税の創設:令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用。3月決算法人の場合、2027年3月期から適用されるため、今期(2026年3月期)は対象外です。ただし、来期に向けた準備が必要です。
- 中小企業経営強化税制の拡充:E類型(経営規模拡大設備等)の追加など、設備投資に関する税制優遇が拡充されています。
4. 港区・新橋エリアの法人が提出する税務署
港区に本店を置く法人の所轄税務署は麻布税務署(港区西麻布3-3-5)です。新橋エリアの法人も同様に麻布税務署が管轄となります。e-Taxを利用した電子申告であれば、税務署への来署は不要です。港区で会社設立をされた法人は、設立届出書の提出先と同じ税務署に申告書を提出します。
まとめ
3月決算法人にとって、4月・5月は決算・申告の最繁忙期です。申告期限に余裕を持って対応するためには、早期に税理士と連携し、決算スケジュールを確定させることが重要です。港区・新橋エリアの中小企業の皆さまは、ぜひ専門家である税理士にご相談ください。
次回予告:第2回では、中小企業が活用すべき「法人税率の特例」と「所得計算の基本」について、具体的な計算例を交えて解説します。
よくある質問(Q&A)
- Q1: 3月決算法人の法人税確定申告の期限はいつですか?
- A1: 法人税法第74条により、事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。2026年3月期の場合、2026年5月31日が期限ですが、日曜日のため翌営業日の6月1日(月曜日)が実質的な期限となります。
- Q2: 申告期限の延長は可能ですか?
- A2: 法人税法第75条の2に基づき、会計監査人の監査を受ける場合や定款の定めがある場合、所轄税務署長に届出をすることで申告期限を1か月延長できます。ただし、納付期限は延長されず、延長期間に対応する利子税が発生します。
- Q3: 港区で会社設立した場合、法人税の申告先はどこですか?
- A3: 港区に本店所在地がある法人の所轄税務署は麻布税務署(港区西麻布3-3-5)です。新橋に事務所がある場合も、本店所在地が港区であれば麻布税務署に申告します。e-Taxを利用すれば来署不要で電子申告が可能です。
根拠法令・参考判例
- 法人税法第74条(確定申告)
- 法人税法第75条(確定申告書の提出期限の延長)
- 法人税法第75条の2(確定申告書の提出期限の延長の特例)
- 租税特別措置法第42条の3の2(中小企業者等の法人税率の特例)
- 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(防確法)第8条〜第13条
参考リンク