2021/7/27
会社を設立する場合、会社の種類は4種類あり選ぶことができます。
この記事では、会社の種類とそれぞれの特徴、メリット・デメリットについて解説しています。
現在設立できる会社の種類は、2006年に施行された新会社法に基づき4種類あります。
よく耳にする「株式会社」、それに加えて「合同会社」、「合資会社」、「合名会社」があります。
それぞれを出資と経営の点から分けると、株式会社、持分会社(合同会社・合名会社・合資会社)になります。
株式会社では、会社に出資する株主と実際の会社の経営に関わる人が異なります。
株主は直接会社の経営は行いませんが、株主総会に参加して会社の経営を行う人を選出することができます。
会社を経営する人は「取締役」であり、取締役の中でも会社を代表する人は「代表取締役」と呼ばれます。
反対に合同会社などの持分会社では、出資金を出した人自身も経営に携わります。
出資した人は社員であり、社員の中で経営の決定権を持つ者を代表社員と呼びます。
出資者の責任の違いとして、有限責任と無限責任があります。
万が一経営が失敗してしまった場合、有限責任か無限責任かによって責任を負う範囲が異なります。
有限責任の場合は、出資した額を限度として責任を負います。
会社が倒産したときに、出資した金額がなくなるものの、それ以上の支払い義務はありません。
一方で無限責任の場合は、会社が倒産して負債が生じたら、その全額を支払わなければなりません。
株式会社は2種類に分類でき、株式会社と有限会社があります。
しかし有限会社は、新会社法の施行後設立することができなくなりました。
現在見られる有限会社は、2006年以前に設立されたものになります。
「特例有限会社」、「有限会社」と称することが可能ですが、株式会社として扱われています。
会社の種類を理解したら、それぞれの特徴についてさらに詳しく見ていきましょう。
会社の中で最も一般的なものは株式会社であり、会社を経営する人と出資する人が分かれています。
出資した人は、会社のオーナーである株主となります。
株主は株主の間で行われる株主総会に参加することができ、経営者を選ぶことができます。
このことを、所有と経営の分離と呼びます。
株式会社での出資の責任範囲は有限責任のため、出資者にとって有利に働きます。
株式を発行し、会社の投資資金を集めやすくなります。
株式会社の義務としては、決算の公示があります。
その目的は、会社の経営や財務状況を株主や債権者に明確にし、予測していない事態を避けたり、信用を確保したりすることに役立っています。
株式会社は社会的な信用度が高く、融資や助成金の面で優遇されることがメリットです。
デメリットは、経営が赤字になっても最低でも7万円程度の法人税が課されること、会計処理の難易度が高いことが挙げられます。
新会社法施行により、有限会社に変わる新たな会社形態として登場したのが合同会社です。
出資した者が有限責任社員として会社の経営にも関わるため、会社の決定権も所有します。
会社の意思決定や利益配分なども、株主総会がない分スムーズで自由に規定でき、経営の自由度が高いというメリットがあります。
さらに、会社設立にかかる初期費用が6万円程度と安く抑えられ、会社設立も定款認証が不要で簡単です。
株式会社では義務となっている決算公示は不要で、役員の任期も無制限です。
デメリットは、株式会社に比べて社会的信用度が低いため、資金調達で不利になる傾向があります。
合資会社は無限責任社員と有限責任社員が各1名以上、合計で2名以上の出資者からなる会社です。
合同会社は一人でも設立することができますが、合資会社の場合は2名以上必要となります。
メリットは合同会社と同じく、設立費用が安く、手続きも簡便なことです。
ただしデメリットとして、会社が倒産した際に無限責任社員の負担が大きく、個人の資産にまで責任が及ぶ可能性があります。
会社が無限責任社員のみで構成される会社形態が、合名会社です。
無限責任社員1名から設立することができ、合同・合資会社同様に会社設立費用が安く、設立のハードルは高くありません。
デメリットは、経営責任は設立者個人が全て負うため、会社経営に失敗した際のリスクが大きくなります。
新会社法施行後は、合名会社よりも経営リスクが少ない合同会社が人気となっています。
会社の4種類それぞれの特徴を理解して、最も適した会社形態を選びましょう。
会社設立の過程では、様々な選択肢を検討しなければならず、多くの手続きが必要となります。
スムーズに会社設立を進めたい、または会社設立でお悩みの方はプロに相談するのがおすすめです。