2026/8/13
夏は決算・申告業務が一段落し、中長期の経営戦略を見直すのに適した時期です。第4回は、多くの中小企業オーナーにとって重要な「事業承継税制の特例措置」を取り上げます。特に注意すべきは、申請に不可欠な「特例承継計画」の提出期限が刻一刻と迫っている点です。港区・新橋で会社を経営するオーナーの皆さまが、判断を先送りにして後悔しないよう、税理士の視点で解説します。
法人版事業承継税制の特例措置は、中小企業の後継者が、経営承継円滑化法の認定を受けた非上場会社の株式等を贈与・相続等により取得した場合に、その株式等にかかる贈与税・相続税の納税を猶予・免除する制度です。平成30年度税制改正で10年間限定の時限措置として抜本的に拡充されました。特例措置の主なポイントは次のとおりです。
この特例措置を利用するためには、事前に「特例承継計画」を都道府県に提出することが必須です。中小企業庁の最新情報(2026年更新)によれば、特例承継計画の提出期限は令和9年(2027年)9月30日までです。かつては令和8年(2026年)3月末とされていましたが、その後の税制改正により延長されています。最新の期限を必ず公的機関の情報でご確認ください。
そして、特例措置そのものの適用期限は、平成30年1月1日から令和9年(2027年)12月31日までの贈与・相続等が対象です。令和7年度与党税制改正大綱では、この適用期限について「今後とも延長しない」と明記されており、延長は期待できません。まさに「今、動くべき」制度なのです。
特例承継計画には、認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けた旨を記載する必要があります。No.1税理士法人のような認定支援機関の関与が制度活用の前提となります。計画の作成には後継者の氏名、承継までの経営見通し、承継後の事業計画などを記載する必要があり、一定の準備期間を要します。港区・新橋で事業承継をお考えのオーナーの皆さまは、期限に余裕をもって専門家にご相談ください。
事業承継税制の特例措置は、自社株の承継にかかる税負担をゼロにできる可能性がある強力な制度ですが、特例承継計画の提出という「入口」を逃すと利用できません。適用期限の延長は明確に否定されているため、承継を検討中のオーナーは早期の準備が肝要です。
次回(第5回・最終回)は、これまでの内容を振り返りつつ、夏に立てるべき年間税務スケジュールと、港区・新橋の経営者が押さえるべきチェックポイントを総まとめします。