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2026年最新版 港区・新橋の中小企業経営者のための法人中間申告・予定納税と上半期税務実務 第4回/全5回:役員報酬の改定(定期同額給与)と損金算入の実務

2026/7/10

2026年最新版 港区・新橋の中小企業経営者のための法人中間申告・予定納税と上半期税務実務 第4回/全5回:役員報酬の改定(定期同額給与)と損金算入の実務

執筆:No.1税理士法人

上半期に経営者が必ず確認すべき重要論点が「役員報酬の改定」です。役員報酬はルールを誤ると損金(経費)として認められず、思わぬ追加納税につながります。特に3月決算法人では、改定のタイムリミットが上半期に集中するため、注意が必要です。港区・新橋で多くの会社設立をサポートしてきた税理士の立場から、定期同額給与の実務を解説します。

役員報酬は原則3か月以内に改定する

役員報酬を損金算入するための代表的な類型が「定期同額給与」です(法人税法第34条第1項第1号)。定期同額給与とは、支給時期が1か月以下の一定期間ごとで、各支給時期における支給額が同額である給与をいいます。改定する場合は、原則として事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日(3月経過日等)までに行わなければなりません(法人税法施行令第69条第1項第1号)。

  • 3月決算法人:4月1日が期首 → 6月30日までに改定が必要
  • 通常は定時株主総会(5月頃)で改定を決議するケースが一般的
  • この期限を過ぎた改定は、原則として損金不算入となる部分が生じる

期中の増額・減額は原則認められない

定期同額給与の趣旨は、役員報酬による利益操作を防ぐことにあります。そのため、3月経過日等を過ぎて期中に役員報酬を増額した場合、増額前の金額を超える部分は損金不算入となります。国税庁の役員給与に関するQ&Aでも、期中増額分は損金不算入額の対象になることが明示されています。

例外として認められる改定(臨時改定事由・業績悪化改定事由)

期首から3か月を過ぎても、次の事由がある場合は例外的に改定が認められます。

  • 臨時改定事由:役員の職制上の地位の変更、職務内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情による改定(法人税法施行令第69条第1項第1号ロ)
  • 業績悪化改定事由:経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由による減額改定(同号ハ)。なお、一時的な資金繰りの都合や単に業績目標値に達しなかったことなどは含まれません。

港区・新橋の経営者への注意喚起

「業績が好調だから期の途中で役員報酬を上げたい」というご相談をよくいただきますが、安易な期中増額は損金不算入のリスクを伴います。逆に、業績悪化を理由とする減額も、税務上の「業績悪化改定事由」に該当するかは厳格に判断されます。改定の意思決定は、必ず株主総会等の正式な決議に基づき、議事録を整備しておくことが税務調査対応上も極めて重要です。

まとめ

役員報酬の改定は、事業年度開始から3か月以内が原則のタイムリミットです。この期限を過ぎた期中の増額や、要件を満たさない減額は損金不算入となるリスクがあります。改定は株主総会の決議と議事録整備をセットで行いましょう。

次回(第5回・最終回)は、本連載の総まとめとして、上半期の税務スケジュールを一覧で整理し、経営者が押さえるべきポイントを総括します。


よくある質問(Q&A)

Q1: 3月決算法人の役員報酬改定はいつまでに行えばよいですか?
A1: 事業年度開始の日(4月1日)の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日、すなわち6月30日までに改定する必要があります。通常は5月開催の定時株主総会で決議します。
Q2: 期の途中で役員報酬を増額したらどうなりますか?
A2: 臨時改定事由など正当な理由がない期中増額は、増額前の金額を超える上乗せ部分が損金不算入となります。国税庁のQ&Aでも、増額後の上乗せ部分の合計額が損金不算入額になると示されています。
Q3: 業績が悪化したら役員報酬を減額しても問題ありませんか?
A3: 「経営状況が著しく悪化した」等の業績悪化改定事由に該当すれば減額改定が認められます。ただし、一時的な資金繰りの都合や単なる目標未達は該当しません。判断が難しいため事前に税理士へご相談ください。

根拠法令・参考判例

  • 法人税法第34条第1項第1号(役員給与の損金不算入・定期同額給与)、同条第2項
  • 法人税法施行令第69条第1項第1号(定期同額給与の範囲)
  • 法人税基本通達9-2-12、9-2-12の2、9-2-12の3(定期同額給与関係)

参考リンク

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