2026/7/3
第1回・第2回では法人税の中間申告を扱いました。第3回では、経営者の方が見落としがちな「消費税の中間申告」を取り上げます。消費税は預り金的な性格を持つ税であり、納付タイミングを誤ると資金繰りに深刻な影響を与えます。特にインボイス制度開始以降、新たに課税事業者となった港区・新橋の企業様からのご相談が増えているテーマです。
消費税の中間申告書の提出が必要なのは、法人の場合は前事業年度(直前の課税期間)の消費税の年税額(地方消費税額を除く)が48万円を超える事業者です(消費税法第42条)。前期の年税額に応じて、中間申告の回数が変わるのが大きな特徴です。
申告回数は前期の確定消費税額(地方消費税を除く国税部分)に応じて、次の4区分に分かれます。
各中間納付税額には、あわせてその78分の22に相当する地方消費税の中間納付税額も納付することになります。
中間申告の提出・納付期限は、原則として各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2か月以内です。なお、消費税にも法人税と同様に仮決算による中間申告が認められており、当期の課税売上が前期より大幅に減少している場合は、仮決算によって中間納付税額を抑えることができます(消費税法第43条)。
消費税は売上とともに預かった税であるため、「手元に資金があるうちに納税資金を確保しておく」ことが何より重要です。特に年11回の中間申告が必要な規模の企業では、ほぼ毎月納税が発生します。インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者へ転換した企業様は、初めて中間申告義務が生じる年に資金不足に陥らないよう、税理士と連携した資金計画が欠かせません。
消費税の中間申告は前期の確定消費税額(48万円超)に応じて年1回・3回・11回と回数が変わります。提出・納付期限の管理と納税資金の確保が経営の安定に直結します。業績悪化時は仮決算による中間申告も選択肢となります。
次回(第4回)は、上半期に必ず確認しておきたい「役員報酬の改定(定期同額給与)」の実務と、損金算入の落とし穴を解説します。