2026/6/19
3月決算法人の確定申告(5月末期限)が一段落し、上半期も折り返しを迎えるこの時期、港区・新橋エリアの多くの中小企業経営者の皆様が次に意識すべきなのが「中間申告」です。中間申告は単なる事務手続きではなく、選択次第で会社の資金繰りに大きく影響する重要な経営判断を含みます。本連載では、税理士の視点から法人の中間申告・予定納税と上半期に押さえるべき税務実務を全5回で解説します。第1回は、中間申告の基本と2つの計算方法の選び方を取り上げます。
中間申告とは、事業年度の中間点で税金の一部を前払いするための手続きです。事業年度が6か月を超える普通法人は、原則として事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内に中間申告書を提出する必要があります(法人税法第71条)。例えば3月決算法人の場合、上半期(4月~9月)終了後の11月末が提出・納付期限となります。
中間申告には2つの方法があり、いずれかを選択できます。会社設立支援から決算まで一貫して関与する税理士として、この選択は毎期慎重に検討すべきポイントだとお伝えしています。
①前年度実績を基準とする中間申告(予定申告)
前事業年度の法人税額をもとに、「前事業年度の法人税額 ÷ 前事業年度の月数 × 6」という算式で中間税額を計算します(法人税法第71条第1項)。計算が簡便で、申告書を提出しなくても期限到来時に予定申告があったものとみなされます。
②仮決算に基づく中間申告
事業年度開始の日以後6か月の期間を1事業年度とみなして仮決算を行い、実際の上半期業績に基づいて税額を計算する方法です。当期の業績が前期より大きく悪化している場合に、納税額を抑えられるメリットがあります。
前期は好調だったが当期は業績が落ち込んでいるという港区・新橋の企業様には、仮決算による中間申告が有効な選択肢となります。前期実績ベースの予定申告では、当期の実態とかけ離れた多額の納税を強いられ、資金繰りを圧迫する恐れがあるためです。一方で仮決算は決算と同等の作業負担が発生するため、業績が安定している場合は予定申告が合理的です。
中間申告は前期実績を基準とする「予定申告」と、上半期の実績を反映する「仮決算」の2択であり、当期の業績動向によって有利・不利が分かれます。自社の状況に応じた適切な判断が、納税と資金繰りの両面で重要です。会社設立後間もない法人ほど、この選択の影響は大きくなります。
次回(第2回)は、仮決算による中間申告のメリット・デメリットと、選択時の具体的な注意点を詳しく解説します。