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2026年最新版 港区・新橋の中小企業経営者のための役員報酬改定の税務実務 第5回/全5回:使用人兼務役員の活用・過大報酬の判定基準と連載総まとめ

2026/6/12

2026年最新版 港区・新橋の中小企業経営者のための役員報酬改定の税務実務
第5回/全5回:使用人兼務役員の活用・過大報酬の判定基準と連載総まとめ

執筆:No.1税理士法人

連載最終回となる第5回では、中小企業で活用頻度の高い「使用人兼務役員」制度と、税務調査で問題になりやすい「不相当に高額な役員給与」の判定基準を解説し、全5回の連載を総括します。港区・新橋で会社設立をされた経営者の皆様が、役員報酬に関する税務リスクを最小化するための実務知識をお届けします。

1. 使用人兼務役員とは

使用人兼務役員とは、役員のうち部長・工場長等の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事する者をいいます(法人税法第34条第5項、法人税法施行令第71条)。

使用人兼務役員に支給する給与のうち、使用人としての職務に対する部分は、役員給与の損金算入制限の対象外となります。つまり、使用人部分の賞与は、事前確定届出給与の届出なしに損金算入が可能です。

2. 使用人兼務役員になれない者

以下の役員は使用人兼務役員になることができません。

  • 代表取締役、代表執行役
  • 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
  • 同族会社の役員のうち、一定の持株割合要件を満たす者(株主グループの上位3位以内で、持株割合が5%超の者等)
  • 取締役会設置会社の監査役

港区・新橋の中小企業(同族会社)では、オーナー社長やその親族が上記の持株要件に該当するケースが多いため、使用人兼務役員の活用には慎重な判断が必要です。

3. 不相当に高額な役員給与の判定

法人税法第34条第2項は、役員給与のうち「不相当に高額な部分の金額」は損金の額に算入しないと規定しています。判定基準は以下の2つです(法人税法施行令第70条)。

  • 形式基準:定款の規定または株主総会等の決議により定められた支給限度額を超える部分
  • 実質基準:役員の職務内容、法人の収益状況、使用人に対する給与の支給状況、同種同規模の法人の役員給与の支給状況等に照らし、不相当に高額と認められる部分

税務調査では、同業他社との比較(TKC経営指標等のデータ)が用いられることがあります。港区・新橋エリアの同業他社の報酬水準も参考にしつつ、合理的な金額設定を行いましょう。

4. 連載の総まとめ:役員報酬改定チェックリスト

全5回の連載内容を踏まえ、2026年5月〜6月に役員報酬改定を行う際のチェックリストを整理します。

  • □ 事業年度開始から3か月以内に改定を完了させる(3月決算なら6月末まで)
  • □ 株主総会議事録を作成し、改定の決議内容を明確に記録する
  • □ 事前確定届出給与を利用する場合は、届出期限(決議日から1か月 or 期首から4か月の早い方)を厳守する
  • □ 法人税・所得税・社会保険料のバランスを考慮した最適額をシミュレーションする
  • □ 年度途中の減額は業績悪化改定事由の要件を満たすか確認し、証拠書類を整備する
  • □ 使用人兼務役員の活用可否を持株要件等から確認する
  • □ 報酬額が不相当に高額でないか、同業他社比較等で検証する

5. 港区・新橋の中小企業経営者へのメッセージ

役員報酬の設定は、法人の税負担、経営者個人の手取り、将来の退職金設計、さらには金融機関からの信用力にまで影響する重要な経営判断です。会社設立時から将来を見据えた報酬設計を行い、毎年の定時株主総会のタイミングで見直しを行うことが、健全な経営の基盤となります。

まとめ

本連載では、定期同額給与の基本ルール、事前確定届出給与の活用、最適報酬額の決定方法、業績悪化時の減額改定、使用人兼務役員と過大報酬の判定について、全5回にわたり解説しました。役員報酬に関する税務は複雑であり、個別の事情によって最適解が異なります。港区・新橋エリアで信頼できる税理士をパートナーとし、毎年の改定時期に適切な判断を行っていただければ幸いです。


よくある質問(Q&A)

Q1: 使用人兼務役員の使用人部分の賞与に上限はありますか?
A1: 使用人兼務役員の使用人部分の賞与は、他の使用人に対する賞与の支給状況等に照らし、相当と認められる金額であれば損金算入が認められます。他の従業員と比較して著しく高額な場合は、過大部分が損金不算入となる可能性があります。
Q2: 役員報酬の「不相当に高額」の具体的な金額基準はありますか?
A2: 法令上、具体的な金額基準は定められていません。実質基準では、役員の職務内容、法人の収益・規模、同種同規模法人の支給状況等を総合的に勘案して判定されます。税務調査では、統計データや同業他社比較が用いられることが一般的です。
Q3: 今回の連載内容は、港区以外の地域でも適用されますか?
A3: はい。役員報酬に関する法人税法の規定は全国共通です。ただし、社会保険料率(健康保険)は都道府県ごとに異なり、また同業他社比較における報酬水準は地域によって差があります。港区・新橋エリアは物価水準が高いため、報酬額の相当性判断においてはその点も考慮されます。

根拠法令・参考判例

  • 法人税法第34条第2項(不相当に高額な役員給与の損金不算入)
  • 法人税法第34条第5項(使用人兼務役員の定義)
  • 法人税法施行令第70条(過大な役員給与の額の判定基準)
  • 法人税法施行令第71条(使用人兼務役員とされない役員)
  • 法人税基本通達9-2-22〜9-2-24(使用人兼務役員関連)

参考リンク

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