2026/9/18
第4回は、個人事業主・フリーランスの方に関わる「所得税の予定納税」と、業績が落ちたときに使える「減額申請」を解説します。港区・新橋には多くの士業・クリエイター・コンサルタントの方が個人で活躍されています。予定納税の仕組みを正しく理解し、払い過ぎを防ぎましょう。
予定納税は、その年の5月15日現在で確定している前年分の所得金額・税額をもとに計算した「予定納税基準額」が15万円以上となる方について、その年の所得税・復興特別所得税の一部を前払いする制度です(所得税法第104条)。予定納税額は、原則として予定納税基準額の3分の1ずつを、第1期・第2期の2回に分けて納付します。翌年の確定申告で年間税額から差し引いて精算します。
予定納税が必要な方には、税務署長からその年の6月15日までに書面またはe-Taxで「予定納税額の通知」が届きます。まさに今、7月末の第1期分を納めたばかり、または11月末の第2期分を控えている時期です。
前年より業績が落ちている、廃業・休業した、大きな損失が出たといった場合、前年実績で計算された予定納税額をそのまま払うのは酷です。そこで所得税法第111条は「予定納税額の減額申請」を認めています。その年の申告納税見積額(6月30日の現況で年間の所得・税額を見積もった額)が予定納税基準額に満たないと見込まれる場合、減額を申請できます。
令和8年分の第2期分の減額申請期限は令和8年11月16日(15日が休日の場合の翌開庁日)までとなります。申請書には見積りの根拠となる資料を添付し、納税地の所轄税務署長に提出します。承認されれば予定納税額が減額され、資金流出を抑えられます。
令和8年度税制改正における基礎控除の見直しについては、予定納税額の計算上は考慮されていません。基礎控除の見直しは翌年の確定申告の際に反映され、最終的な年間の所得税額で精算される点に注意が必要です。予定納税の段階で控除拡大が自動的に反映されるわけではありません。
予定納税は前年実績に基づく前払いであり、今年の業績が落ちているなら減額申請で負担を軽減できます。申請には期限があるため、6月末時点の見積りを早めに行うことが重要です。港区・新橋で個人事業を営む皆様は、通知が届いたら「今年の着地見込み」と照らし合わせて判断しましょう。
最終回(第5回)は、これまでの全体を振り返りつつ、夏の納税を乗り切るための資金繰りとスケジュール管理の実務をまとめます。