2026/9/4
第2回では、法人経営者にとって重要な「法人税の中間申告」を掘り下げます。中間申告には2つの方法があり、どちらを選ぶかで納税額と資金繰りが大きく変わります。港区・新橋で会社設立をした経営者の皆様が損をしないよう、選択のポイントを整理します。
法人税法第71条により、前事業年度の確定法人税額をもとに計算した金額(前期の確定法人税額を月数按分した額)が10万円を超える場合、中間申告書を提出しなければなりません。この基準を下回る場合や、前事業年度が6か月以下の場合などは、中間申告義務がありません。3月決算の会社であれば、事業年度開始(4月1日)から6か月を経過した日(9月30日)の翌日から2か月以内、すなわち令和8年11月30日が申告・納付期限となります。
最も簡便な方法が「予定申告」です。前事業年度の確定法人税額を基礎に、機械的に「前期税額×6÷前期の月数」で計算します。手続が簡単で、期限までに申告書を提出しない場合でも、前期実績による申告があったものとみなされます(みなし申告)。前期と業績が同程度、あるいは伸びている会社にとっては、最もシンプルで合理的な選択です。
もう一つが「仮決算」です。これは事業年度開始から6か月間を一つの事業年度とみなして仮の決算を組み、実際の上半期の利益に基づいて中間税額を計算する方法です(法人税法第72条)。前期は好調だったが今期は業績が悪化している、大口取引を失った、といった会社では、予定申告よりも中間納税額を抑えられる可能性があります。
ただし仮決算には注意点があります。仮決算の結果、税額がマイナス(赤字)になっても還付は受けられず、中間税額はゼロになるにとどまります。また、仮決算による中間申告は期限後に提出することはできず、期限までに提出しなければ前期実績によるみなし申告となります。半期分とはいえ、実質的に決算作業を行う手間が生じる点も考慮が必要です。
法人税の中間申告は「前年実績で機械的に払う」か「仮決算で実態に合わせて払う」かの二択です。業績が下がっている年こそ、仮決算による中間申告で資金流出を抑えられる可能性があります。港区・新橋で事業を営む経営者の皆様は、上半期の試算表をもとに早めに顧問税理士とシミュレーションすることをおすすめします。
次回(第3回)は、判断がより複雑になりがちな「消費税の中間申告」について、年1回・3回・11回の区分と仮決算の活用法を解説します。