2026/8/6
インボイス制度の定着により、消費税の課税事業者となった中小企業が大幅に増えました。第3回は、意外と見落とされがちな「消費税の中間申告」について解説します。消費税は法人税と申告回数の考え方が異なり、年税額によって年1回・3回・11回と分かれます。港区・新橋で事業を営む経営者の皆さまが納税資金を計画的に準備できるよう、税理士の視点で整理します。
消費税の中間申告が必要なのは、直前の課税期間(法人は前事業年度、個人は前年)の消費税の年税額(地方消費税を除く国税部分)が48万円を超える事業者です。年税額に応じて申告回数と納付額が次のように変わります。
各中間申告の提出・納付期限は、原則として中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内です。なお、これらの金額に加えて、それぞれ78分の22の地方消費税を併せて納付します。
法人税と同様、消費税でも仮決算による中間申告が可能です。事業の休廃業や売上の大幅な減少により前課税期間より業績が落ち込んでいる場合、仮決算を行うことで中間納付額を減らせる可能性があります。ただし、仮決算により計算した税額がマイナスとなっても、中間申告では還付を受けることはできません。また、仮決算による中間申告書は提出期限を過ぎて提出することはできない点に注意が必要です。仮決算を行う場合にも簡易課税制度の適用があります。
中間申告による納付税額は、確定申告の際に控除され、控除しきれない場合は還付されます。とはいえ、中間納付のタイミングでまとまった資金が必要になるため、事前の資金準備が欠かせません。特にインボイス制度を機に課税事業者となった事業者の方は、初めての中間申告で「思ったより納付額が大きい」と驚かれることがあります。港区・新橋の税理士として、年間の納税スケジュールを早めに把握しておくことを強くお勧めします。
消費税の中間申告は、年税額によって回数が大きく異なります。中間申告書を期限までに提出しない場合でも、直前の課税期間の実績により計算した消費税額の申告があったものとみなされ、納税義務は生じます。業況が悪化している場合は仮決算の活用を検討し、資金繰りを守りましょう。
次回(第4回)は、提出期限が迫る「事業承継税制の特例措置」について、特例承継計画の申請期限と活用のポイントを解説します。