2026/7/30
前回は法人税の中間申告を取り上げました。第2回は、個人事業主やオーナー経営者に関係の深い「所得税の予定納税」について解説します。7月は予定納税第1期分の納期限を迎える時期です。港区・新橋で事業を営む個人事業主の皆さまが、資金繰りで慌てないためのポイントを、税理士の視点でまとめます。
予定納税とは、その年の所得税を前払いする制度です。前年分の所得税額をもとに計算した「予定納税基準額」が15万円以上になる方は、予定納税が必要になります。予定納税額は、原則として予定納税基準額の3分の1の金額を、第1期分・第2期分として年2回に分けて納付します。
予定納税額は、税務署長からその年の6月15日までに、書面またはe-Taxによる通知で知らされます。納期限が土日祝日にあたる場合は、その翌日が納期限となります。
令和8年分の予定納税で特に注意が必要なのが、令和8年度税制改正における基礎控除の見直しです。国税庁の案内によれば、この基礎控除の見直しは、予定納税額の計算上は考慮されていません。基礎控除の見直しは確定申告の際に考慮され、最終的な年間の所得税額において精算される仕組みです。そのため、予定納税の段階では従前どおりの計算で通知が来る点を理解しておく必要があります。
廃業・休業・失業、業況不振、災害などのため、本年分の所得に対する税金が予定納税基準額より少なくなると見込まれる場合は、予定納税額の減額を税務署に申請できます。減額申請の提出期限は以下のとおりです。
なお、令和8年分の減額申請にあたっても、基礎控除の引上げや特定親族特別控除の創設は申告納税見積額の計算上考慮されない点に注意が必要です。減額申請はe-Taxでも提出でき、承認通知書の電子交付を受けることも可能です。港区・新橋の税理士として、業況が前年より落ち込んでいる事業者の方には、この減額申請の活用を積極的にお勧めしています。
予定納税は前払いのため、必ず確定申告で精算されますが、資金繰りの観点からは納めすぎを防ぐことが重要です。今年の所得が前年を明らかに下回りそうな場合は、減額申請を忘れずに検討しましょう。納期限に遅れると延滞税がかかる点にもご注意ください。
次回(第3回)は、多くの課税事業者が対象となる「消費税の中間申告」について、年税額に応じた申告回数や仮決算の活用法を解説します。