お役立ちコラム

【2025年最新版】中小企業向けの助成金一覧

2025/7/31

事業を運営するうえで資金繰りは重要な課題でもあります。
そんな資金に関して、補助や助成を受けられるのなら、受けたいと考える事業者も多いのではないでしょうか。

実は、中小企業が申請できる助成金制度にはさまざまなものがあります。

この記事では、補助金と助成金の違いや中小企業向けの助成金制度について詳しく解説します。
・事業の資金繰りに悩んでいる
・どのような助成金制度があるのか知りたい
・自社に適した助成金制度を知りたい
上記に当てはまる方にぴったりの情報を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【ざっくり解説】補助金と助成金の違い

補助金助成金
主体団体経済産業省厚生労働省
採択方法審査制要件を満たせば受給できる
金額高額なものが多い低額なものが多い
難易度高い低い

補助金や助成金は、国や自治体などが目的に沿った活動を行う企業に対して交付する金銭を指します。

補助金は、交付元が定めた活動に必要な経費の一部を支援するものです。申請者は事業計画を提出し、採択されれば補助を受けることができます。補助される金額は比較的高額である一方、具体的な成果が求められ補助金の使用用途が厳密に定められているのが特徴です。

助成金は、補助金に比べて広く提供されるものが多く、要件が比較的緩やかで交付を受けやすいのが特徴です。補助金は審査制なのに対し、助成金は要件を満たしていれば原則受けられるものが大半を占めます。その分、助成される金額は補助金には劣りますが、労働環境の改善や教育など企業だけでなく労働者にとってのメリットとなる活動も対象になっているものが少なくありません。

 

補助金が向いているケース

補助金は、主に使用目的が設備投資、販路拡大、広報(プロモーション)、IT導入、新事業の展開、海外進出などを対象にしているものが多いです。これらの目的で資金交付を受けたいのであれば、補助金を検討するのがよいでしょう。

ただし、補助金の場合は申請のハードルが高く審査も厳しい傾向にあります。申請期間なども限られているため計画的に申請準備を進める必要があります。採択されれば高額の補助金を受けられるものの、基本的には後払い制であるため、ある程度自社での資金準備が欠かせません。

助成金が向いているケース

助成金は、福利厚生、労働環境の改善、人材育成、新規雇用などを対象にしているものが多いです。これらの目的で資金交付を受けたいのであれば、助成金を検討するのがよいでしょう。

基本的には条件を満たしていれば受給できるため、申請のハードルは低いです。ただし、事前に最低限の労働環境が保たれていることが前提となっているため、労務管理や就業規則の制定などを怠ってしまっていると助成を受けられない可能性があります。

補助金と助成金は併用OK

補助金と助成金は、目的が異なり、なおかつ異なる経費を申請するのであれば併用可能です。つまり、設備投資に関する補助金と人材育成の助成金であれば同時期に申請することもできます。ただし、なかには併用不可と設定されているものもあるため、事前に補助金や助成金の内容をよく確認しましょう。

また、同一の経費を二重申請してしまうと二重受給となり、大きな罰則を受けることになってしまいます。申請却下、返還措置などのペナルティを受ける可能性が高いので注意しましょう。

2025年度・中小企業向けの助成金一覧

補助金と助成金の違いについて分かったところで、2025年度最新版の中小企業向けおすすめ助成金制度を紹介します。

雇用調整助成金

雇用調整助成金は、景気の変動や産業構造の変化などの経済上の理由によって企業規模・事業活動を縮小せざるを得なくなってしまった企業に対し、一時的に雇用調整(休業や教育訓練、出向など)を行い従業員の雇用を維持した場合に交付される助成金です。

令和6年度より、支給対象となる教育訓練の見直しが行われているため、教育訓練において雇用調整助成金の利用を検討している方は再度、制度の内容を確認しておく方がよいでしょう。

助成対象雇用維持を目的とした雇用調整

(休業・教育訓練・出向)

受給額〇中小企業の場合:助成率2/3

〇大企業の場合:助成率1/2

 

業務改善助成金

業務改善助成金は、生産性向上のための設備投資を行い、事業内の最低賃金を一定額以上引き上げた場合、設備費の一部に対して交付される助成金です。

設備投資には、機械設備、コンサルティング導入、人材育成・教育訓練なども含まれます。

業務改善助成金は、これから実施するものが対象となる点に留意しましょう。

助成対象最低賃金を引き上げたうえでの生産性向上を目的とした設備投資

(機械設備、コンサルティング導入、人材育成・教育訓練など)

受給額〇最低賃金が1,000円未満の場合:助成率4/5

〇最低賃金が1,000円以上の場合:助成率3/4

※最低賃金の引き上げ額に応じた助成上限あり

 

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用の労働者(有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者など)を正社員化や処遇改善した事業者に交付される助成金です。

大きく分けて正社員化支援と処遇改善支援に分類されており、さらに正社員化コース、障害者正社員コース、賃金規定等改定コース、賃金規定等胸中化コース、賞与・退職金制度改善コース、短時間労働者労働時間延長支援コースなどに細かく分けられています。

短時間労働者労働時間延長支援コースは令和7年度より新設されたコースです。これまでキャリアアップ助成金を申請したことがある事業者も、改めてチェックしてみるのがおすすめです。

助成対象非正規雇の労働者に対して正社員化もしくは処遇改善した事業者
受給額コースによって異なる

(例)正社員化コース

 ・中小企業事業主の場合 20~40万円

 ・大企業事業主の場合  15~30万円

 

働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金は、時間外労働の削減や年次有給休暇および特別休暇の促進に向けた環境整備に取り組む事業者に交付される助成金です。

取り組みの具体例として以下が挙げられます。

  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知、啓発
  • 外部専門家によるコンサルティング
  • 就業規則・労使協定書等の作成・変更
  • 人材確保に向けた取組
  • 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  • デジタル式運行記録計の導入・更新
  • 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

上記のいずれかの取り組みを施行することで、助成を受けられます。

申請の締め切りは2025年11月28日(金)なので、申請を検討している方はご注意ください。

助成対象時間外労働の削減や年次有給休暇および特別休暇の促進に向けた環境整備に取り組む事業者
受給額・6~240万円

※事業規模や成果目標によって変動

 

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、労働者に職務に関連する専門知識および技能を習得させる職業訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を交付する助成金です。

人材開発支援助成金は7つのコースに分類されており、それぞれに受給要件や受給金額・補助率などが異なります。

  • 人材育成支援コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 人への投資促進コース
  • 事業展開等リスキリング支援コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障害者職業能力開発コース

それぞれのコースに要件が細かく設定されているため、内容を確認して検討してみてください。

助成対象労働者に職務に関連する専門知識および技能を習得させる職業訓練を実施した事業者
受給額コースによって異なる

(例)人材育成支援コースの場合

・部外講師の謝金・手当(上限15,000円、海外からの場合は上限15万円

・事業外訓練に必要な入学料・受講料・教科書代等

・特定職業能力検定の受験量等

・キャリアコンサルタント料(上限1時間あたり3万円)

 

人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金は、雇用管理制度または業務負担軽減機器等の導入による雇用管理改善を行い、離職率低下の施策に取り組む事業主に交付される助成金です。

雇用管理制度または業務負担軽減機器は以下の要件が定められています。

雇用管理制度

    • 賃金規定制度
    • 諸手当等制度
    • 人事評価制度
    • 職場活性化制度
    • 健康づくり制度

 

業務負担軽減機器等

  • 従業員の直接的な作業負担を軽減する機器・設備
助成対象雇用管理制度または業務負担軽減機器等の導入による雇用管理改善を行い、離職率低下の施策に取り組む事業主
受給額※雇用管理制度等区分により異なる

・25~150万円

 

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、就職困難者を雇用する事業主に交付される助成金です。なかでも、業務経験のない職種で雇い入れた際に通常の1.5倍の助成を受けられる助成制度であることが注目されています。

特定就職困難者コース、発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース、中高年層安定雇用支援コース、生活保護受給者等雇用開発コースの4つに分類されており、それぞれに補助内容が異なります。

助成対象就職困難者を雇用する事業主
受給額※採用する労働者により異なる

・75万円~360万円

 

早期再就職支援等助成金

早期再就職支援等助成金は、再就職援助計画等の対象者を離職後3カ月以内に雇い入れた事業主に交付される助成金です。

対象となる労働者を離職日から3カ月以内に雇い入れることや、期間の定めのない労働者として雇用すること、一般被保険者(高年齢被保険者)として雇用することなど、要件が細かく定められています。

助成対象再就職援助計画等の対象者を離職後3カ月以内に雇い入れた事業主
受給額支給対象者1人につき30~40万円

 

産業雇用安定助成金

産業雇用安定助成金は、在籍型出向を行い、復帰した労働者の賃金を出向前より5%以上上昇させた事業者に対して出向中に負担した賃金の一部を交付する補助金です。

令和4年に新設された補助金制度です。在籍型出稿は、労働者の安定した雇用と人材確保のメリットがあるとして、厚生労働省も推奨している雇用形態です。

助成対象在籍型出向を行い、復帰した労働者の賃金を出向前より5%以上上昇させた事業者が出向中に負担した賃金の一部
受給額〇中小企業の場合:助成率2/3

〇中小企業以外の場合:助成率1/2

(1人1日当たり8,635円が上限)

 

トライアル雇用等助成金

トライアル雇用等助成金は、職業経験不足などが理由で就職困難な求職者に対して、無期雇用への移行を前提に一定期間試行雇用を行う事業者に交付される助成金です。

雇い入れには以下の条件があります

  • ハロワーク等の紹介で雇い入れすること
  • 原則3か月トライアル雇用をすること
  • 1週間の所定労働時間が30時間以上(もしくは20時間以上)であること

支給対象者1人当たり月額で助成金が交付されます。

助成対象職業経験不足などが理由で就職困難な求職者に対して、無期雇用への移行を前提に一定期間試行雇用を行う事業者
受給額支給対象者1人につき月額4万円(対象者が母子家庭もしくは父子家庭の場合、月額5万円)

 

両立支援等助成金

両立支援等助成金は、仕事と育児や介護などを両立できるよう職場環境を改善する事業者に交付される助成金です。

勝率支援等助成金は以下の6つのコースに分類されています。

  • 出生両立支援コース
  • 介護離職防止支援コース
  • 育児休業等支援コース
  • 育休中業務代替支援コース
  • 柔軟な働き方選択精度等支援コース
  • 不妊治療および女性の健康課題対応両立支援コース

それぞれに要件や助成額が異なるため、自社に対象となる労働者がいないか確認してみるとよいでしょう。

助成対象仕事と育児や介護などを両立できるよう職場環境を改善する事業者
受給額コースによって異なる

(例)出生時両立支援コース

・男性が育休を取得した場合:1人目20万円(2・3人目10万円)

・男性の育休取得率が目標値まで上昇した場合:60万円

 

補助金一覧

助成金だけではなく、補助金にも以下のようにさまざまな種類があります。

  • 省力化投資補助金
  • ものづくり補助金
  • IT導入補助金
  • 小規模事業者持続補助金【一般型】
  • 小規模事業者持続補助金【創業型】
  • 事業継承・M&A補助金
  • 新事業進出補助金
  • 成長加速化補助金
  • 省エネ診断・省エネ・非化石転換補助金
  • 雇用調整補助金など

目的が違うものであれば、助成金との併用も可能なので、自社が対象となる補助金についても検討してみてはいかがでしょうか。
 

補助金・助成金の申請は専門家に相談して

助成金は比較的受給しやすく、労働者や求職者に対する取り組みを行うことを目的としている制度です。労働者や求職者に対する取り組みを行うことで、企業は人材確保や流出防止などの効果が期待できるでしょう。

補助金とは目的が被りにくいものが多いため、両方を併用して申請することも検討するのがおすすめです。

ただし、誤って同一目的の制度を申請してしまうと大変なので、補助金や助成金に詳しい専門家に相談するのがよいでしょう。特に、税理士に依頼することで事業の税務も一緒に相談でき、適切な資金の運用についてのアドバイスを受けることもできます。

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