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補助金・助成金の違いや利用の流れを分かりやすく紹介!税理士に依頼するメリットも解説

2025/4/30

企業にとって必要な資金を用意する際、補助金や助成金の利用を検討する事業者も少なくありません。
補助金や助成金を利用できれば、これから行うプロジェクトについて金銭的な余裕を作りやすくなるでしょう。

しかし、補助金と助成金の違いを正確に説明できる事業者は多くありません。
なかには「同じようなものではないの?」と勘違いしている方もいます。

この記事では、補助金と助成金の違いについて分かりやすく解説します。
合わせて補助金や助成金を利用する流れや税理士に補助金や助成金の申請のサポートを依頼するメリットについても紹介します。

補助金や助成金の利用を検討している人や補助金と助成金どちらを利用すべきなのか悩んでいるという人は、ぜひ参考にしてみてください。

補助金・助成金の違いや利用の流れを分かりやすく紹介!税理士に依頼するメリットも解説_No.1税理士法人

補助金と助成金の違いとは

補助金や助成金は、主に国や地方自治体が企業を金銭的に支援し、経済や地域の活性化を図る取り組みです。
まれに民間団体による補助金・助成金制度もありますが、多くは国や自治体による公的支援として行われています。

最初に、補助金と助成金の違いについてみていきましょう。

 

実施元が違う

補助金助成金
管轄経済産業省厚生労働省
目的経済の発展・活性化労働者支援

補助金と助成金は実施元が違うのが特徴です。
主に、補助金は経済産業省が、助成金は厚生労働省がそれぞれ管轄しています。

目的も異なり、補助金は経済的効果を期待し中小企業に対する事業支援として行われています。
一方、助成金は雇用環境の改善や人材育成の支援など労働者支援を目的として行っているのが特徴です。

 

支給される金額帯が違う

補助金と助成金は、それぞれに目的が異なるため給付金の金額帯も異なります。

経済の発展や活性化を目的に行う補助金の場合、数百万円から数千万円単位の金額が支給されることも珍しくありません。
一方、労働支援を目的に行う助成金の場合、数十万円から百万円程度の金額で指定されていることが多いです。

 

補助金の利用の流れ

補助金と助成金では、利用の流れも異なります。
続いては、補助金を利用する際の手続きや支給の流れについて解説します。

 

STEP1.補助金の申請をする

対象事業について補助金の申請を行います。所定の申請書類に必要事項を記入して申請しましょう。
場合によっては、事業計画書や予算案などの提出を求められることもあります。

 

STEP2.審査を受ける

申請書類は、該当する補助金を管轄する部署で審査されます。
申請書類の内容が公募内容に則っているのか、事業内容や予算が適当であるのかなど、外部有識者を含めた審査員が判断します。

外部有識者による厳しいチェックが行われるため、申請書類の内容は十分に審査対策をして提出しましょう。

採択されれば、企業に採択通知が届けられます。

 

STEP3.交付申請をする

採択通知が届いたら、企業は交付申請を行います。
しかし、交付申請をしたからといって補助金がすぐに受け取れる訳ではありません。補助金は多くの場合、該当事業が完了した後に支給されます。

 

STEP4.申請した事業を行う

交付申請後、申請書類で提示した該当事業を開始します。
万が一、事業途中に何らかのトラブルが起こり、事前に提出した計画通りに事業を進められない場合は、都度担当者に相談した方がよいでしょう。

 

STEP5.事業報告をする

該当事業の完了後、事業報告を書面で提出します。進捗や成果なども報告し、申請した計画通りに事業が進んだのかどうかを報告しましょう。

 

STEP6.補助金の支給を受ける

報告書を提出し、承認されれば補助金が支給されます。

 

中小企業が申請できる代表的な補助金

補助金にはさまざまな種類がありますが、なかでも中小企業からの申請が多い代表的な補助金について紹介します。

 

小規模事業持続化補助金

小規模事業持続化補助金は、過去に17回行われてきた補助金制度です。
同補助金は、企業の生産性向上や持続的発展を目的として支給される補助金で、商業・サービス業(宿泊業や娯楽業を除く)で常時使用する従業員数が5人以下の小規模事業所、または商業・サービス業以外の業種で常時使用する従業員が20人以下の事業所を対象にしています。
令和5年の公募では、補助上限50~200万円、補助率2/3、店舗改装や広告掲載、展示会出展費用などを補助対象として支給されています。

令和7年度版についても、2025年4月時点で公募要領(暫定版)が公開されています。

 

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業に対して生産性向上や革新性を高めることを目的として支給される補助金です。
機械装置費・システム開発費などが対象となっており、補助上限額は750~2,500万円(従業員数により異なる)、補助率は1/2(小規模企業・小規模事業者や再生事業者の場合2/3)と定められています。

大規模な支援を受けられることから人気が高く、採択率が低い補助金制度としても知られています。

 

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新市場への進出や業種変換、事業再編など、新たな取り組みで事業の再構築を行う企業支援を目的とした補助金です。
補助上限額は企業規模や事業類型によって異なるものの500万円~1億円、補助率は1/3~3/4とされています。
過去に行われた際には、技術導入費(知的財産権導入に要する経費)や広告宣伝費、教育訓練等の研修費も補助対象経費として認められています。

 

IT導入補助金

IT導入補助金は中小企業の業務効率化ツール導入やDX化を支援することを目的とした補助金です。
導入するITツールは指定された中から選ぶ必要がありますが、サポート費用、クラウドサービス利用料なども補助対象として認められています。

通常枠の場合、ITツールを導入する業務プロセスの数によって5万円~450万円以下の補助金を、補助率1/2~2/3で支給されます。

 

助成金の利用の流れ

助成金の場合は、補助金に比べると少ない工程で支給を受けることができます。

 

STEP1.事業計画を作成する

助成金の申請には、事業内容が助成金の公募内容に一致しているかどうかが重要視されます。
自社で行いたい事業計画を作成し、助成金の公募内容に一致しているか確認しましょう。

 

STEP2.計画した事業を実施する

事業計画書の内容と合致するよう、事業を開始します。
この際、事業計画書の内容通りに実施することが重要です。

 

STEP3.助成金の申請を行う

助成金の場合、審査は行われないことが多いです。
あくまで申請書や事業内容を確認し、公募要件を満たしているかを確認されます。

なかには審査が必要なケースもありますが、審査を行う場合も申請後に行われるので、結局は事業終了後に助成金が支給されるかどうか決まります。

 

STEP4.助成金の支給を受ける

申請書に問題がなく承認されれば、助成金が支給されます。

 

中小企業が申請できる代表的な助成金

続いては、中小企業が申請できる人気の助成金を紹介します。
助成金は補助金に比べて申請のハードルが低いため、自社の事業に当てはまるものがあれば積極的に利用してみるとよいでしょう。

 

働き方改革推進援助助成金

働き方改革推進援助助成金は、労働時間の短縮や年休取得促進など、労働環境の改善を目的とした補助金です。
資本金や常時使用する労働者などによって申請対象が定められているため、自社が該当するか十分確認しましょう。

労務管理研修や人材確保に関する取り組み、社会保険労務士など外部専門家によるコンサルティング料なども助成対象です。
助成上限額は25~150万円(成果目標によって異なる)、補助率は3/4~4/5とされています。

 

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、事業者や労働者に対して計画的に職業訓練を実施した際に支給される助成金です。
さまざまなコースの中から選択可能で、人材育成、教育訓練、人材への投資促進、事業展開リスキリング、建設労働者認定訓練、建設労働者技能実習、障害者能力開発などが挙げられます。

働き方改革推進援助助成金と同じく、資本金や常時使用する労働者数によって申請対象が定められています。

 

業務改善助成金

業務改善助成金は、事業内最低賃金の引上げと共に、生産性向上を目的とした設備投資を行った事業に対して、設備投資費の一部を助成する制度です。

最低賃金の引上げ額によって助成上限が異なり、最大600万円と定められています。(事業規模や対象となる労働者数によっても異なる)助成率は4/5~3/4です。

 

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者のキャリアアップや処遇改善などの取り組みを行った事業所に対して支給される助成金です。

キャリアアップ助成金の受給を申請する場合、事前にキャリアアップ計画の作成・提出が必要です。
取り組み実施後、処遇改善後の賃金を6ヶ月分支払った後、支給申請が可能となります。

 

補助金や助成金を利用する際の注意点

補助金や助成金を利用するには、さまざまな取り決めがあります。
単純に「資金援助を貰える」という訳ではないため、注意点を押さえておきましょう。

 

補助金は必ず支給される訳ではない

助成金は公募に対して条件を満たしていれば大抵のケースで支給されるのに対し、補助金は申請しても必ず採択される訳ではありません。

補助金として支給される金額が大きい分、予算や採択件数などもあらかじめ決められていることが多く、要件を満たしていても申請が採択されない可能性があります。

 

事業期間を確認する

補助金や助成金は、定められた事業期間内の経費のみを補助または助成します。
そのため、事業開始日が対象期間外の場合、申請しても補助や助成が受けられない可能性があります。

事業を行う期間と補助金や助成金制度の定める事業期間が、重複しているか確認しましょう。

 

全ての費用を補助金や助成金で賄えるケースは少ない

補助金や助成金の多くは、補助率、助成率が定められています。
そのため、最大補助額500万円の補助金に申し込むつもりで、500万円の設備投資をした場合、申請が採択されても補助率が1/5であれば、支給されるのは100万円です。

補助金や助成金を選ぶ際に最大支給額だけ見るのではなく、補助率についても十分に確認し、資金計画を立てましょう。

 

原則後払いで交付される

補助金や助成金は後払いで交付されるものがほとんどです。そのため、補助金や助成金をあてにした資金計画では、事業を実行できません。
事業者は資金全額を負担したのち、補助金や助成金の申請が採択されれば支給を受けられる仕組みです。

まずは補助金や助成金がなかったとしても問題無く経営を続けられる事業計画を立てましょう。

 

適切な事務処理を行わないと補助金の給付を取り消される可能性がある

補助金の申請が採択されても、適切な事務処理が行われておらず不正や不備のある報告書が提出された場合、給付が取り消される可能性があります。

特に多いのが、支払信憑などを適切に保管しておらず提出物が不足しているケースや関係のない経費まで申請されているケースです。
これらのケースでは、不正な補助金請求として受給資格の取り消し処分が下されることが多いでしょう。

 

会計検査が入ることがある

補助金を受けた場合、関わる資料や帳票などは5年間保存することが義務付けられます。
それは、会計検査院による会計検査が入ることがあるからです。

会計検査は支給された補助金のなかに、不正な経費等が含まれている可能性が示唆された際に行われます。
適切に処理されていないものに関しては、会計検査院から指摘される可能性もあります。

 

一定以上の利益が出た場合は収益納付が必要

補助金は原則として返済不要の支援金です。
しかし、補助金の対象となった事業において一定以上の利益が発生した場合、収益納付制度により補助金として支払われた金額を上限として返納を求められることがあります。

また、設備投資などで補助金を受けた場合、該当する設備を売却する際には財産処分などの手続きが必要なため注意しましょう。

 

過去に法令違反をしていると申請できない可能性がある

補助金は国が主体となって行っているため、過去に法令違反をしていると申請できない可能性があります。
主に、補助金や助成金において申請不可事由とされる法令違反には以下のものがあります。

・過去3年以内に不正受給をしていた
・労働保険料を滞納した
・過去1年以内に労働関連法令に違反していた

上記の法令違反の記録がある場合、助成金や補助金の申請資格が剥奪される可能性があります。

 

補助金や助成金の申請は自分でできる?

補助金や助成金の申請は事業者本人によって申請可能です。
ただし、補助金や助成金のなかには申請期間が短いものが多く、事業を管理しながら公募期間を把握し、必要書類などを作成して申請を行うのは簡単ではありません。

また、数多くある補助金や助成金のなかから、自社の事業計画に合ったものを選ぶのも至難の業でしょう。

競争率の高い補助金の場合は、採択されやすい書き方なども存在すると言われており、ノウハウを知らないと申請の際に不利になると考える人もいます。
これらの理由から、専門知識を持つ人材に代理申請や申請サポートを依頼することが少なくありません。

 

補助金や助成金の申請を税理士や社労士に依頼するメリット

補助金や助成金の申請を、専門知識を持つ税理士や社労士へ依頼すると以下のようなメリットがあります。

・自社に合った補助金や助成金を選定してもらえる
・事業に集中しながら助成金や補助金の手続きを進められる
・書類作成を代行してもらえる
・事業後の手続きについてアドバイスを貰える
・支給金の会計処理方法に関する指導や税対策のアドバイスをもらえる

特に高額が設定されている補助金の申請を検討している場合、書類不備などを防ぐために専門家へ依頼するケースが多く見られます。

 

税理士と社労士の違い

補助金や助成金の代理申請を依頼する専門家として税理士や社労士があります。
しかし、税理士と社労士では、それぞれに対応できる業務が異なります。

それぞれの業務範囲を理解したうえで依頼しましょう。

 

税理士の独占業務

税理士には、税理士資格を持つ人にのみ許される独占業務という3つの業務があります。

・税務の代理
・税務相談
・税務書類の代行

これらの業務以外にも、多職種の独占業務に抵触しない内容であれば対応が可能です。
助成金や補助金の申請手続きをサポートしたり、受給した資金の効果的な運用方法のアドバイスなども依頼できます。

また、補助金や助成金を受給した企業が陥る失敗が、支給金の会計処理の不備や税対策です。
会計処理や税対策については税理士の独占業務であるため依頼が可能なうえ、他の職種には依頼できません。

 

社労士の独占業務

社労士の独占業務には以下のものがあります。

・行政機関に提出する書類の作成
・行政機関への書類提出代行
・行政機関への事務代理
・就業規則等の書類の作成

事業者に変わり、申請書類を作成し代理提出できるのは社労士だけです。

 

補助金や助成金の申請は税理士・社労士どちらに依頼するのがいいの?

補助金や助成金の申請を専門家に依頼したい場合は、依頼する業務によって税理士か社労士を選ぶのがよいでしょう。
自分自身が現場から離れることができないなどの理由で、事業に専念している間に申請や書類の代理提出などをしてもらいたい場合には社労士を選びましょう。

一方で、助成金や補助金に関する相談を行い、今後受給した資金を適切に運用していくためのアドバイスを受けたいのであれば税理士に依頼するのがよいでしょう。
税理士に依頼している場合、受給された後の会計処理や税対策についても支援を受けられます。

 

補助金や助成金の申請は税理士に相談するのがおすすめ

補助金や助成金はそれぞれに、行っている団体や目的が異なります。
また、今回紹介したもの以外にも沢山の助成制度、補助制度があるため、自社にとって最善の選択をする必要があるでしょう。

全く知識を持たない経営者には、難しい問題です。
申請を不備なく行うことや、不正申請してしまわないよう事後処理を適切に行うことなども、専門的な知識がなければ間違ってしまう可能性があるでしょう。
これらの問題を解消するため、税理士や社労士など専門家の手助けを受けて申請するのがおすすめです。

 
特に、税理士に依頼すると補助金や助成金の申請サポートを含め、今後企業がどのように税対策をしていくべきなのか相談できます。
受給した資金を無駄なく最大限の活用できるようアドバイスができるのも、独占業務としての受注が可能な税理士のみです。

No.1税理士法人では、企業の助成金・補助金申請を税務問題の解決も含めて親身にサポートいたします。
過去にも数々の助成金・補助金申請支援で採択された実績やノウハウもあるため、初めて助成金や補助金を申請する事業者様でも安心してご利用頂けるでしょう。

 
助成金や補助金、税務に関するご相談は、ぜひNo.1税理士法人にご相談ください。

なお、雇用に関する助成金の申請代行は、社会保険労務士のみが行うことができます。
当グループには、社会保険労務士も在籍しており、専門的な視点からのサポートをご提供いたします。

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