2026/2/9
全5回の連載も今回が最終回。確定申告の受付開始(2月16日)がいよいよ来週に迫りました。
最終回となる今回は、港区・新橋エリアの経営者や個人投資家の方から非常に問い合わせが多い「暗号資産(仮想通貨)」に特化して解説します。
昨年末、「仮想通貨の税制が変わる!」「申告分離課税(20%)へ!」というニュースが大きく報じられましたが、今回の申告(2025年分)には適用されないことを正しく理解していますか?
2025年12月に発表された「令和8年度税制改正大綱」において、暗号資産取引の申告分離課税(一律約20%)への移行や、特定トークンに関する優遇措置の方針が示されました。
しかし、これはあくまで「将来(2026年以降または2028年など)」の話であり、今回行う2025年分(令和7年分)の確定申告には適用されません。
「ニュースで20%になると聞いたから、税金は安いはずだ」と誤解して申告すると、後日、巨額の追徴課税を求められるリスクがあります。今回の申告までは、従来の厳しいルールのままであることを肝に銘じてください。
暗号資産の税金計算で最もミスの多いポイントが、日本円を経由しない取引です。
国税庁の指針では、以下のタイミングで所得(利益)が発生したとみなされます。
特に3番目の「交換」は、手元に現金が入ってこないため、納税資金の確保が難しくなりがちです。
「利益は出ているが、手元には別のコインしかなく、納税するための日本円がない」という事態に陥っていないでしょうか? 申告期限(3月16日)までに日本円を用意する必要があります。
取引件数が多い場合、手計算は不可能です。国税庁が提供する「暗号資産の計算書(総平均法等)」のエクセルや、取引所から交付される「年間取引報告書」を活用しましょう。
また、海外取引所やDeFi(分散型金融)を利用している場合は、G-taxやCryptact といった民間の損益計算ツールでの集計がほぼ必須となります。
暗号資産の申告手続きに関しては、朗報もあります。
第2回でも触れましたが、2025年分申告からiPhoneでの「スマホ用電子証明書」利用が解禁されました。
これまでは、e-Taxで送信するたびにマイナンバーカードをスマホにかざして読み取る必要がありましたが、今回からは事前の設定さえ済ませておけば、iPhoneの生体認証(Face ID/Touch ID)のみでログインから送信までが完了します。
わざわざ税務署に行ったり、カードリーダーを用意したりする必要はありません。忙しい港区のビジネスパーソンこそ、この新機能を活用すべきです。
今回の申告で多額の雑所得(利益)が発生した方は、翌年の住民税や国民健康保険料の負担増も覚悟しなければなりません。
もし今後も継続的に暗号資産投資を行う予定であれば、「法人化(資産管理会社の設立)」を検討するタイミングかもしれません。
法人であれば、暗号資産の利益も事業所得として扱われ、役員報酬による所得分散や経費計上の範囲拡大など、個人にはない選択肢が生まれます(ただし、期末時価評価課税などの法人特有の論点には注意が必要です)。
新橋税理士法人では、暗号資産に強い税理士とのネットワークも活用し、個人の確定申告から法人設立までトータルでサポートいたします。