2026/1/16
いよいよ2026年がスタートし、個人事業主や経営者の皆様にとっては、3月の確定申告(2025年分)が近づいてきました。今回は、半世紀ぶりの大改革とも言われる「年収の壁」の見直しについて、その影響と実務ポイントを解説します。
これまで、確定申告や年末調整において「基礎控除」といえば「一律48万円」が常識でした。しかし、2025年分(令和7年分)の所得税から、この常識が覆されました。
物価高騰対策と労働供給の制約解消を目的に、基礎控除額が所得に応じて最大95万円まで引き上げられています。
従来の「48万円」から、所得が一定以下の層に対して手厚く控除額が上乗せされる「階層型」の控除へと変化しました。
このように、合計所得が低いほど控除額が大きく、所得が増えるにつれて段階的に減少する仕組みです。特に、港区で創業間もない個人事業主の方や、給与収入がそこまで多くない方にとっては、大きな減税効果が期待できます。
この基礎控除の引き上げ(48万円→95万円)に加え、給与所得控除の最低保障額も従来の55万円から65万円へと10万円引き上げられました。
これにより、アルバイトやパートの方が意識してきた「税金がかからないライン」が劇的に変化します。
つまり、2025年分の給与収入が160万円以下であれば、所得税は0円となります。これまで労働時間を調整していた方にとっては、より長く働ける環境が整ったと言えます。
私たちのような新橋の会計事務所にも、「従業員の扶養控除はどうなるのか?」「年末調整の計算が合っているか不安だ」という相談が多く寄せられています。
注意が必要なのは、今回の改正は主に「所得税」に関するものだという点です。住民税の基礎控除については、一律の大幅な引き上げとはなっていません。所得税がかからなくても、住民税は課税される(いわゆる「110万円程度の壁」)ケースが生じます。従業員から相談を受けた際は、「所得税はゼロでも住民税がかかる可能性がある」ことを伝える必要があります。
個人事業主の場合、これまでは「所得(売上-経費)が48万円以下なら申告不要」という認識が一般的でした。しかし、基礎控除が95万円になったことで、所得が95万円以下であれば所得税の確定申告が不要となるケースが出てきます。
ただし、港区での会社設立や融資申請、国民健康保険料の算定のために、所得がゼロであっても住民税の申告が必要な場合があります。
個人の基礎控除が引き上げられたことで、個人事業主としてのメリットが増したように見えるかもしれません。しかし、インボイス制度や対外的な信用力を考慮すると、港区や新橋エリアでのビジネスにおいては「法人化(会社設立)」が依然として強力な選択肢です。
港区には「創業・スタートアップ支援事業補助金」など、独自の支援制度も充実しています。基礎控除の枠を超えて事業が成長軌道に乗った段階で、スムーズに法人成りを検討することをおすすめします。