お役立ちコラム

港区 中小企業 助成金に強い新橋の税理士が語る!2025年 最低限抑えておきたい年末調整実務 第5回/全5回

2025/9/30

【第5回】守りの経理から攻めの人事へ!税制改正を人手不足解消の武器に変える経営戦略

皆様、こんにちは。港区新橋の税理士法人 No.1税理士法人です。
5回にわたってお届けしてきた「2025年 最低限抑えておきたい年末調整実務」も、いよいよ最終回を迎えました。

これまでの回で、税務の具体的な変更点を解説してまいりました。これらは一見すると、ただでさえ忙しい年末に、さらに負担が増える「守り」の業務に感じられるかもしれません。

しかし、私はそうは考えません。この歴史的な税制改正は、単なる税務対応にとどまらず、ここ港区の多くの中小企業が抱える最大の経営課題である「人手不足」を解消するための、またとない好機なのです。最終回は、この変化を力に変え、会社の成長に繋げる「攻めの人事戦略」についてお話しします。

アクション1:貴社の「配偶者手当」を今すぐ見直してください

多くの中小企業では、福利厚生の一環として「配偶者手当」を支給されています。そして、その支給要件が「配偶者の年収が103万円以下であること」と規定されているケースが、今なお非常に多いのが実情です。

この規定を放置することは、もはや経営上のリスクです。
国の税制は「123万円まで扶養の範囲内」と変わりました。にもかかわらず、自社の制度が「103万円」のままでは、従業員の配偶者に対して「国の基準より20万円も少なく働いてください」というメッセージを送っていることになります。

この機会に、配偶者手当のあり方をゼロベースで見直すべきです。選択肢は、手当を廃止してその原資を基本給や子ども手当に振り分けるなど、様々です。目指すべきは、全従業員の貢献意欲を高める公平な報酬体系の構築です。

アクション2:国の「助成金」を戦略的に活用する

第2回で指摘した通り、税金の壁が引き上げられても、社会保険の「106万円の壁」は依然として大きな障壁として残ります。従業員がこの壁を越えて社会保険に加入すると、保険料負担によって手取りが減少してしまう問題は解決されていません。

しかし、国もこの問題を認識しており、企業がその障壁を乗り越えるのを支援するための強力なツールを用意しています。それが「キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)」です。

これは、パート従業員が新たに社会保険に加入する際に、会社が賃上げなどで手取りの減少を補う取り組みを行った場合、そのコストの一部を国が補助してくれる制度です。注目すべきはその金額で、従業員1人あたり最大50万円(3年間合計)もの支援が受けられます。

これは、国の政策変更を追い風に、助成金という実弾を使って、自社の労働力を主体的に、かつ低コストで拡大していく、極めて攻撃的な人事戦略です。私たち新橋の税理士は、こうした港区中小企業向けの助成金活用に関する税務相談も承っております。

経営者のためのFAQ

Q. 配偶者手当を廃止するのは「不利益変更」にあたり、法的に問題ありませんか?

A. はい、注意が必要です。手当の廃止は従業員にとって「不利益変更」にあたるため、原則として従業員の個別の同意が必要です。同意なく一方的に変更するには、就業規則の変更に合理的な理由が求められます。多くの企業では、トラブルを避けるため、数年かけて段階的に減額するなどの「経過措置」を設け、従業員の納得を得ながら進めています。

Q. キャリアアップ助成金の申請は難しいですか?税理士にお願いできますか?

A. 申請には、事前に「キャリアアップ計画書」を作成し労働局の認定を受けるなど、一定の手続きが必要です。書類作成や要件確認など、煩雑な部分もございます。税理士は税務の専門家ですが、社会保険労務士と連携して助成金申請をサポートすることが可能です。ぜひ一度、専門家にご相談ください。

Q. 助成金を使っても、社会保険料の会社負担分が増えるのが心配です。

A. 確かに、従業員が社会保険に加入すれば、会社負担分の保険料(約15%の半額)は増加します。しかし、それを上回るメリットを考えることが重要です。例えば、これまで週20時間未満で働いていた優秀な人材に週30時間働いてもらえるようになれば、売上への貢献は保険料負担を大きく上回る可能性があります。これはコストではなく、人材への「投資」と捉えるべきです。

結論:変化を力に変えるために

2025年の税制改正は、企業にとって一つの「テスト」です。受け身で対応すれば混乱に直面し、戦略的に捉えれば成長の機会を手にすることができます。

この5回シリーズが、皆様にとってその航海の羅針盤となれば幸いです。これほどの規模の変化は、確かに大変な部分もありますが、早期の準備と戦略的な思考があれば、必ず乗り越え、より強い組織へと進化できるはずです。

私たちNo.1税理士法人は、その航海のパートナーとして、いつでも皆様のそばにいます。ご不明な点、ご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

5回にわたり、お付き合いいただき、誠にありがとうございました。

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