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新橋 年末調整 税理士が注目!2025年 最低限抑えておきたい年末調整実務 第3回/全5回

2025/9/16

【第3回】大学生の子を持つご家庭は必見!新設「特定親族特別控除」とは?

皆様、こんにちは。港区新橋の税理士法人のNo.1税理士法人です。
「2025年の年末調整」をテーマにお届けするシリーズ第3回。今回は、特に19歳から22歳、いわゆる大学生年代のお子様がいらっしゃるご家庭にとって、大きな朗報となる新しい税金の優遇制度「特定親族特別控除」について解説します。

前回は、パートで働く方の「年収の壁」が大きく変わるお話をしました。実は、扶養されているお子様のアルバイト収入にも、これと似たような「壁」が存在し、長年の課題となっていました。今回の改正は、その問題を解決するためのものです。

なぜ新設?従来の制度が抱えていた「崖(がけ)」問題

従来の制度では、扶養されている大学生のお子様のアルバイト収入が年103万円をたった1円でも超えてしまうと、親御様が受けていた63万円もの所得控除(特定扶養控除)が、突如としてゼロになるという、非常に厳しい仕組みでした。

これを、私たちは「崖(クリフエッジ)」問題と呼んでいます。崖から落ちるように控除が消滅するため、親御様の税金が年間10万円以上も跳ね上がり、世帯全体の手取りが大きく減ってしまうのです。このため、多くの学生さんが「103万円を超えないように」とアルバイトを調整する、「働き控え」の大きな原因となっていました。

今回新設された「特定親族特別控除」は、この”崖”を”なだらかな坂“に変え、学生さんがもっと意欲的に働いても、ご家庭の手取りが急激に減少しないように設計された、画期的な制度なのです。

新制度のやさしい仕組み:二段階方式

新しい制度は、お子様のアルバイト収入に応じて、以下のように二段階で適用されます。この仕組みは国税庁が公表したQ&Aで詳しく解説されています。

  1. 年収123万円まで → これまで通り「扶養控除」
    まず、お子様の給与収入が、新しい「扶養の壁」である年収123万円以下の場合、これまで通り、親御様は63万円の特定扶養控除を満額受けることができます。崖の位置が、103万円から123万円へと引き上げられた、とお考えください。
  2. 年収123万円超~188万円まで → 新設「特定親族特別控除」
    ここからが新しい仕組みです。お子様の収入が123万円を超えても、控除はいきなりゼロにはなりません。123万円を超えた時点では63万円の控除からスタートし、収入が増えるにつれて控除額がなだらかに減少していき、年収188万円でゼロになります。これにより、世帯手取りの急激な減少が緩和されるのです。

経営者のためのFAQ

Q. 子どもが2人とも対象年齢(例:19歳と21歳)の場合、控除はどうなりますか?

A. お子様一人ひとりについて、それぞれの収入額に応じて控除額を計算し、合算することができます。例えば、長男が年収140万円(控除額63万円)、次男が年収170万円(控除額31万円)の場合、合計で94万円の控除を受けることが可能です。

Q. 申告を忘れた場合、後から手続き(確定申告)はできますか?

A. はい、可能です。年末調整で申告を忘れてしまった場合でも、翌年の確定申告期間中(通常2月16日~3月15日)に、ご自身で確定申告(還付申告)を行うことで、払い過ぎた税金を取り戻すことができます。手続きがご不安な場合は、私たち新橋の税理士にご相談ください。

Q. 子どもの収入が給与ではなく、個人事業(ウーバーイーツなど)の場合はどう計算しますか?

A. この制度は「合計所得金額」で判断します。給与の場合は「給与収入-給与所得控除」で計算しますが、個人事業の場合は「事業収入-必要経費」で計算した金額が「合計所得金額」となります。例えば、収入が150万円でも経費が40万円かかっていれば、所得は110万円となり、控除の対象となります。

まとめと次回予告

今回は、大学生年代のお子様を持つご家庭向けの新しい優遇税制「特定親族特別控除」について解説しました。お子様が収入を気にせずアルバイトに打ち込めるようになり、ご家庭の税負担も緩和される、非常に優れた改正です。

さて、この新しい控除の申告書もそうですが、2025年の年末調整では、私たちが実際に記入し、会社が処理する書類そのものが大きく変わります。

次回、第4回(2025年9月23日-秋分の日)「担当者は必読!申告書はこう変わる。2025年 年末調整の具体的な手続き」では、より実務的な手続きの変更点に焦点を当てて解説します。

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