2026/3/13
新橋の皆様、こんにちは。No.1税理士法人のです。連載第4回です。
今回は、会社の血液である「資金調達(融資)」の最新トレンドについて、プロの視点でお話しします。
「銀行からお金を借りるのは怖い」 「無借金経営が一番だ」
そう思う方もいるかもしれません。しかし、事業を成長させるためには、他人の資本(融資)をテコにして、自分の力以上のスピードで進むことが必要です。
特に2025年は、融資の常識が大きく変わる年です。
まず、背景を知ってください。
コロナ禍で多くの中小企業を救った「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」は終了しました。
民間ゼロゼロ融資の保証債務残高はピーク時の約21兆円から、足元では約12.5兆円まで減少しています。多くの企業が返済を始めていますが、約3割の企業が返済に苦労している(条件変更など)というデータもあります。
これからの銀行は、「コロナだから助ける」という姿勢ではありません。
「本業で稼ぐ力があるか」「返済能力があるか」をシビアに見極める「平時の金融」に戻っています。
そんな中で、これから創業する皆様、あるいは攻めの投資をしたい皆様に強くお勧めしたいのが、日本政策金融公庫などが提供する「資本性劣後ローン」です。
これは非常に特殊で、強力なローンです。
最大の特徴は、金融機関の査定上、「負債」ではなく「自己資本」とみなされることです。
通常、銀行からお金を借りれば借りるほど、「自己資本比率」が下がり、会社の財務評価は悪くなります。「これ以上は貸せません」と言われてしまいます。
しかし、資本性劣後ローンで借りたお金は「資本」と見なされるため、むしろ自己資本比率が上がった(財務が良くなった)と判断されます。
その結果、民間銀行(地銀や信金)からも、「財務が良いなら、うちも貸しましょう(協調融資)」とお金を引き出しやすくなるのです。
無担保・無保証人が基本。期限一括返済(毎月の返済は利息のみ)など、キャッシュフローに優しい。
金利は業績連動型で、黒字になると高くなる(それでも出資を受けるよりは安いケースが多い)。
政府は、この資本性劣後ローンの拡充や、適用期限の延長を進めています。創業期の「資本増強」手段として、これを使わない手はありません。
起業の最大のハードル、それは「会社が倒産したら、社長が個人資産で借金を返さなければならない(連帯保証)」という恐怖でした。
しかし、時代は変わりました。
政府は今、「経営者保証の解除」を強力に推進しています。
「経営者保証に関するガイドライン」に基づき、以下の条件などを満たせば、保証なしで融資を受けられるケースが増えています。
①法人と個人の資産が明確に分離されていること(会社のお金を社長が私的に使わない)。
②財務基盤が強化されていること。
③適時適切に情報の開示(試算表の提出など)を行っていること。
さらに、信用保証協会でも、一定の保証料を上乗せすることで経営者保証を不要にする制度が始まっています。
「失敗したら一家離散」というリスクは、正しい知識と経営管理で回避できるのです。
融資を受けるために最も大切なのは、「説得力のある事業計画書」です。
ここでも国の支援を使いましょう。
「早期経営改善計画策定支援事業(通称:Vアップ事業)」です。
これは、認定支援機関(私たち税理士など)と一緒に、資金繰り計画やビジネスモデル俯瞰図、アクションプランを作成する際、その費用の2/3(最大15万円〜25万円)を国が補助してくれる制度です。
この計画書があれば、金融機関に対して「この会社はしっかり計画を立てている」「将来性がある」とアピールでき、融資の審査がスムーズになります。
また、資本性劣後ローンの審査においても、こうした計画書の有無は重要視されます。
今の金融機関が見ているのは、担保や過去の実績だけではありません。
「事業の将来性(事業性評価)」を見ています。
「うちはこんな技術で、こんな市場を狙っていて、これだけ利益が出る計画です」
それを、数字と言葉で語れる経営者にお金は集まります。
No.1税理士法人は、皆様の「想い」を「金融機関に響く言葉(計画書)」に翻訳する通訳者でもあります。
次回はいよいよ最終回。
これらのお金や制度を使いこなし、黒字経営を続けるために必要な「税理士との新しい付き合い方=予兆管理」について解説します。
資本性劣後ローンとは、日本政策金融公庫などが提供する金融機関の査定上「負債」ではなく「自己資本」とみなされる特殊なローンです。通常の融資は借りるほど自己資本比率が下がり財務評価が悪化しますが、資本性劣後ローンはむしろ自己資本比率が上がったと判断されます。これにより、民間銀行から追加の協調融資を引き出しやすくなります。無担保・無保証人が基本で、期限一括返済(毎月の返済は利息のみ)のためキャッシュフローにも優しい設計です。金利は業績連動型で、黒字時は高くなりますが、出資を受けるよりは安いケースが多いです。
はい、条件を満たせば経営者保証なしで融資を受けることが可能です。政府は「経営者保証に関するガイドライン」に基づき、保証解除を強力に推進しています。主な条件は、①法人と個人の資産が明確に分離されていること(会社のお金を私的に使わない)、②財務基盤が強化されていること、③試算表の提出など適時適切な情報開示を行っていること、の3点です。信用保証協会でも、一定の保証料を上乗せすることで経営者保証を不要にする制度が始まっています。
早期経営改善計画策定支援事業(通称:Vアップ事業)とは、認定支援機関(税理士など)と一緒に資金繰り計画やビジネスモデル俯瞰図を作成する際、その費用の2/3(最大15万円〜25万円)を国が補助してくれる制度です。この計画書があることで、金融機関に「しっかり計画を立てている」「将来性がある」とアピールでき、融資審査がスムーズになります。特に資本性劣後ローンの審査では、こうした計画書の有無が重要視されるため、創業期の資金調達を有利に進めるために活用すべき制度です。