2026/2/27
新橋の皆様、こんにちは。No.1税理士法人です。
連載第2回です。前回は「成長へのマインドセット」についてお話ししましたが、今回は実務的な「手続き」と、創業直後から絶対に意識すべき「価格交渉(価格転嫁)」についてです。
「手続きなんて、誰がやっても同じでしょ?」
「価格交渉なんて、創業したばかりの弱小企業には関係ないよ」
そう思っているとしたら、非常に危険です。
手続きのミスは税務上の恩恵(青色申告など)をドブに捨てることになり、価格交渉の放棄は「利益」を自ら放棄することと同義だからです。
私のモットーである「手残り資金の最大化」のためには、ここが最初の正念場となります。
まずは基本中の基本、港区で会社を作る際の「地図」を確認しましょう。
港区は広いので、オフィスの場所によって管轄が変わるものがあります。
提出先: 東京法務局 港出張所(住所:港区東麻布2-4-4)
ポイント:
ここで会社の実印登録も行います。最近はオンライン申請も増えていますが、不備があると補正で何度も足を運ぶことになるので、司法書士への依頼が確実です。
提出先:芝税務署(港区芝5-8-1) または
麻布税務署(港区西麻布3-3-5)
ポイント:
ここが最重要です。「青色申告承認申請書」は設立から3ヶ月以内(または最初の事業年度終了日まで)に提出しないと、初年度の赤字を翌年以降に繰り越せません(欠損金の繰越控除)。創業期は赤字になることが多いので、この手続きを忘れると数年後の税金で大損します。
提出先: 港年金事務所(港区浜松町1-10-14)
ポイント:
法人は社長一人でも強制加入です。役員報酬を決めたら速やかに届け出ましょう。
提出先:
三田労働基準監督署、品川公共職業安定所(ハローワーク品川)など
ポイント: 従業員を1人でも雇う場合は必須です。
これらをバラバラに行うのは大変です。No.1税理士法人では、これらの手続きをワンストップでサポートし、社長が「本業」に集中できる環境を整えます。
さて、ここからが本題です。
会社を作ったら、お客様(取引先)との契約が始まります。ここで皆様に知っておいていただきたいキーワードが「取引適正化」です。
今、政府は「中小企業の賃上げ」を実現するために、原資となる「取引価格の適正化(値上げ)」を強力に推進しています。
その象徴が「下請Gメン」です。
これは、経済産業省が任命した調査員(約330名)のことで、年間1万件以上のヒアリングを行い、大企業などが下請け企業に対して「買いたたき」や「不当なコスト負担」を強いていないかを監視しています。
さらに、2026年1月には「中小受託取引適正化法」という新しい法律も施行される予定です。
これは、これまで「下請法」の対象外だったような業務委託(フリーランスや小規模事業者への発注)も広く対象とし、不当な買いたたきや受領拒否を禁止するものです。
つまり、これから創業する皆様は、「不当に安い価格で仕事を受けなくてもよい権利」を、国から与えられているのです。
原材料費、エネルギー価格、そして人件費。すべてが上がっている今、コスト増分を価格に転嫁(値上げ)できなければ、会社は潰れます。
中小企業庁の調査によると、価格交渉が行われた企業の割合は約9割に達しており、交渉のテーブルにつくことは当たり前になりつつあります。
しかし、現実は甘くありません。
コスト全体の価格転嫁率は53.5%にとどまっています。
「一部でも転嫁できた」企業は増えていますが、「全く転嫁できなかった」「マイナスになった(値下げされた)」企業も依然として約17%存在します。
創業時は「実績がないから安くします」と言いがちです。
しかし、一度安い価格で契約してしまうと、後から上げるのは至難の業です。
結果として、忙しいのに利益が出ない「貧乏暇なし」状態に陥り、従業員の給料も上げられず、人が辞めていく…という悪循環(ブラック企業化)への入り口となってしまいます。
では、どうすればよいか。
最初が肝心です。創業時の契約書作成段階から、対策を打つのです。
「価格変動条項」を入れる
「原材料費や人件費が著しく変動した場合は、協議の上、価格を変更できる」といった条項を契約書に盛り込みましょう。
「パートナーシップ構築宣言」を活用する
発注側の大企業に対して、国は「パートナーシップ構築宣言」を求めています。この宣言をしている企業は、下請けとの共存共栄を約束しています。取引先を選ぶ際の基準にしましょう。
見積もりの根拠を明確にする
単に「◯◯円」と出すのではなく、「材料費◯円、労務費◯円」と内訳を提示することで、コストが上がった時に交渉しやすくなります。
会社設立の手続きは、単なる事務作業ではありません。
税務署への届出は「節税」の準備であり、法務局への登記や契約書の作成は「適正な利益」を守るための城壁作りです。
「下請Gメン」や「価格転嫁」といった国の動きを知っているだけで、取引先との交渉における強気度が変わります。
私たちNo.1税理士法人は、単なる記帳代行ではなく、こうした「契約や交渉のアドバイス」も含めて、創業者の皆様をサポートします。
次回は、人手不足を解消し、生産性を爆上げするための「省力化投資補助金」について。
「カタログから選ぶだけ」で使える、驚きの制度をご紹介します。
初年度の赤字を翌年以降に繰り越せなくなり、将来の税金で大きく損をします「青色申告承認申請書」は設立から3ヶ月以内(または最初の事業年度終了日まで)に税務署へ提出する必要があります。創業期は赤字になることが多いため、この申請を忘れると「欠損金の繰越控除」が使えず、黒字化した年度に本来不要な税金を支払うことになります。港区の管轄は芝税務署(港区芝5-8-1)または麻布税務署(港区西麻布3-3-5)です。
「下請Gメン」とは、経済産業省が任命した約330名の調査員のことです。年間1万件以上のヒアリングを行い、大企業が中小企業に対して「買いたたき」や「不当なコスト負担」を強いていないかを監視しています。2026年1月には「中小受託取引適正化法」も施行され、フリーランスや小規模事業者への不当な発注も規制対象になります。創業したばかりの企業こそ、取引先から不当に安い価格を押し付けられやすいため、この制度を知っておくことが武器になります。
最も重要なのは、契約書に「価格変動条項」を盛り込むことです。具体的には「原材料費や人件費が著しく変動した場合は、協議の上、価格を変更できる」という条項を入れます。また、見積書に「材料費◯円、労務費◯円」と内訳を明示しておくと、コスト上昇時の交渉がスムーズになります。さらに、取引先が「パートナーシップ構築宣言」を行っている企業かどうかを確認することも有効です。中小企業庁の調査では、価格転嫁率は53.5%にとどまっており、創業時の契約設計が将来の利益を左右します。